白黒思考、二極思考(分裂)について

白黒思考、とか二極思考(ゼロ百思考)という言葉を聞いたことがありますか?
心理学の”精神分析”という分野の中で考えられている、成長の途中である子供の頃には誰もが持っている心の個性のことです。

人間の脳はは概ね三歳ころまでに成人の脳と同じ形に形成されると脳科学では考えられています。子供がその後の経験の中で様々な体験を学習していく中では、物事の答えがはっきりしていないと、まだ未熟で幼い思考しかできない子供には、物事のあいまいな機微はわかりづらいため、良いor悪い、好きor嫌い、などの極端な振り幅で物事を理解しようとします。子供の頃はこれでOK。その後、成長と共に次第に体験の中でものごとのあいまいな部分を理解するようになっていきます。

ところが、この思考パターンが大人になっても残ってしまい、対人関係の中で影響してしまうことがあります。

例えば、苦手だと感じている相手に挨拶したら、良い反応がない(と感じた)「きっと私の事嫌がっているのかも…だったら無視してやろう…」など。相手に自分の声が聞こえにくかったかもしれないし、その相手はその瞬間は何か別のことで頭がいっぱいだったのかもしれないのに、自分を嫌って挨拶をしてくれない、と感じてしまいだったら無視してやろう…などの極端な態度に出てしまう。
相手の都合や背景などが読めれば様々な考えが浮かぶので気になりにくいのですが、好きか嫌いかで物事をとらえるので心的負担がとても大きくなります。
このように、大人の対人関係でも白黒思考という心の個性が強く出てしまうことで自分自身がトラブルの種をまいていることがあります。
アダルトチルドレンの心の個性で悩んでいる方の中には、気付かずにこの極端な振り幅で物事を捉えてしまっていることで、大きな心的負担を負っている場合があります。

そんな心の個性に悩んでいる方には、インナーチャイルドセラピーを通じて「幼少期に負った心の傷」を癒すことで、”人物や物事を捉えなおしていくこと”がとても有効となります。