心の個性は体験の積み重ね
自分が好きになれない。人には嫌われる…。どうしてこんな性格に生まれたのだろう…。ネガティブでとても臆病だった私、鈴木も長年こんな風に悩んできました。
心理学の世界では心の個性の成り立ちは、誤解を恐れずに言えば「気質(先天的に生まれ持ったもの)」と「性格(生まれた後に作られてきたもの)」とに分けて考えます。
ネガティブに考えてしまう考え方の個性や自分のことが好きになれない自己イメージの歪みは、生まれたばかりの乳児期から幼少期、またその後におよぶ体験からの「学習の積み重ね」と心理学では考えます。
例えば、ヘアスタイルを変えたばかりの女性が、友人や同僚から「素敵だね!」と声をかけてもらうと、「ありがとう(^^♪」と素直に喜べる人と、「そんなことないっ!」と否定してしまったり、そもそも喜ぶ反応ができない人がいたとします。もちろん表現することを照れる人もいますし、人それぞれ度合は違いますが、もしかしたらそれぞれの以前の経験から、「素敵だね!」と言われることを”良い経験”として多く学習している人は、素直に”喜ぶ”という反応をするかもしれません。一方で、素直に表現できない人は、”表現しないほうが傷つかない”などの経験を学習しているのかもしれません。
幼少期から自分自身の気持ちを表現し、それを周囲から受け入れてもらえた体験が多い人ほど自分自身に対するイメージを肯定的に受け止めやすく、反対の場合、ネガティブに受け止めやすくなっていきます。幼少期のこの「受け止め方」が原型となって、その後の成長の中で様々な体験を人は経験し、反応していくので幼少期の周囲からの受け入れてもらった体験がとても重要になっていきます。
言い換えれば、心の発達には後天的な要因がある、ということでもありますので、イメージや記憶など脳的な仕組みを活用することで性格(心の感じ方の個性)は修正していける、とも言えます。