本当の気持ちと周囲の理解

当相談室にて改善されている方のメッセージを拝読させていただいて、私としても学ばせていただいていることの一つに、「本当の気持ちを伝えることで周囲から理解してもらえたことがとても嬉しかった。」といったメッセージがあります。
「うつ」や「自分に自信が持てない」などのセルフイメージで悩まれている方は、ご自身が望んている気持ちに気づきにくくなっているように思います。
家事や育児を完璧にこなせない自分を「ダメ」だと思ってしまっていたり、自分が苦しいのにも関わらず、こなせない量の仕事を引き受けてしまったり、ご本人の心の中では「周囲の役に立たなければ」と一生懸命なのですが、ご自身でも理由もわからずに頑張り続けてしまいバーンアウトしてしまう、ということが鬱症状の引き金になっているのかもしれません。

改善しておられる方々のメッセージの中で、「本当はその仕事をこなせないのでは、と自信がないんです。」や「母親として育児をしていく自信がないの。」など身近な家族や職場の仲間に「本当の気持ち」を伝えたことで、思ったよりもすんなりと気持ちを理解してもらえた、といったメッセージをよく拝見させていただきます。
また、伝えたことで相手の方から「実は私も自信がないよ。」と照れながら気持ちを伝えてもらった、ということもあります。
苦しい心の症状を体験し「ご自身の気持ちを振り返ってみる機会を持つ」ということは、もしかしたらご本人と周囲のコミュニケーションを振り返ってみることなのかもしれません。また、身近な周囲の方も同じようにご自身を振り返ってみる機会を持てることで、「僕も、(私も)本当は〇〇なんだよね…」と気持ちを表現することでお互いが笑顔になれる。(もちろんうまくいかない場合もあります。)

インターネットの通信が当たり前になっている昨今では、電話やインターネットがつながらないと連絡が取れず、不安になったり困ってしまうことも多くありますので、例えて言えば心の症状は「心の通信障害」ともいえるのかもしれません。

そして、心の症状そのものが、本当の気持ちを伝えるなどの「成長の機会」といえるのかもしれませんね(^^)